清廉を保つ

渇水期は川に流れ込む水が減り、普段は見えない川底の石が見えるようになります。

そのような景色を「水落石出」といいます。

このことから転じて、「水落石出」は「時機が巡ると、少しずつベールがはがれ、物事の隠れていた実態が表れてくる」という意味で使われています。

時折、ニュースで、職場の地位や職権を利用して、不正に手を染めてしまった人が取り上げられます。

そのような人たちは、恐らく自分が行っていることを、川底に沈んでいる石のように、

絶対に人の目に触れることはない、と思い込んでいたでしょう。

しかし、「天網恢恢疎にして漏らさず」という老子の言葉があるように、悪しき行いは、いつか白日の下に晒されるようになっているものです。

立場に応じた責任や権限は、その地位にある人に向けられた信頼が前提にあります。

その信頼を胸に強く持ち、足をしっかりと地に着けて、常に堂々と清廉を保ちつつ仕事に励みたいものです。