売り手と買い手

　不動産会社で営業を担当するAさんは、見込み客へ、こまめに電話で連絡するなど、契約目標達成に向けて一生懸命です。

　電話では、「お探しの物件は人気物件です。お早めに決めて下さい」と、勧める。押しの営業を心がけていました。

しかし、相手が電話に出なくなったり、他の会社と契約してしまうなど、成果につながりません。

　ある休日、Aさんは、洋品店へ入った時、「どのような服をお探しですか」と頻繁に声をかけてくるスタッフに苛立って、店を出たことがありました。

　その際、＜自分もしつこく電話をして、お客様から迷惑がられていたのではないか・・・＞と思ったのです。

　それからは、お客様の事情に配慮しながら連絡し、ハガキに一筆「ご家族でご相談ください」と入れるなど、工夫を凝らしました。

それからは、Aさんを訪ねてくる来客が少しずつ増えていきました。

　今では、お客様から届くお礼の手紙や声がAさんの励みになっています。