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神社仏閣の建築や補修に携わる大工は、宮大工と呼ばれています。
その中でも「最後の宮大工」と呼ばれているのが、故、西岡常一氏です。
昭和時代に法隆寺の修理や、法輪寺三重塔などの復元も手がけた氏は、
棟梁としての心得を「木を組むには人の心を組め」と表現しています。
「職人が五十人いたら、五十人が棟梁と同じ気持ちになっていないと立派な建物はできない」
という意味のこの言葉は、多くの職場にも当てはまるでしょう。
示された手順や方法に則って、共に協力し合ってこそ、仕事は前に進みます。
しかし、それだけでは不十分であることを、氏は表現したのでしょう。
つまり、リーダーたる者、思いやりを持って部下や後輩の心を掌握し、一つの強固な集団として、
まとめあげているか否かを問うているのです。
上に立つ者としての心得の中で、「人の心を組む」とは、もっとも困難なことかもしれません。
日々慕われ、集う人の心が自ずと一つになるような、重みのあるリーダーを目指したいものです。
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