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窓と壁

工務部 杉崎部長

日本の建物は木造で間仕切りは外に面している場所でも

障子、良くて木戸でした。

一方、フランス等ヨーロッパでは石を積み上げる建築、窓を作るには

とても手間が掛かるため極力窓は少なく、小さく、位置は同じ場所に建築してきました。

もうこの時点で窓に関する考え方が全然違います。

江戸時代の長屋なんて障子だらけです。

日本人が窓に求める事、眺望、解放感、採光、こういったイメージが根強く残っています。

外国の考え方は通風、換気といった面が主です。引き違い窓は外国ではあまり見かけません。

一度現地人に聞いたことがあります。なぜ引き違い窓が無いんだ?と

するとなぜ両側が開く必要があるのか?と逆に聞き返されました。

確かに両方空く必要はないですね、おまけに引き違い窓は断熱性能上最も断熱性能を上げにくい窓です。

隙間が多いんです。

建物の断熱性能を上げていこうとすると窓は極力少ない方が有利です。南面は日射の取得が期待できるので

限りなく大きい窓を付ける事を推奨しますが、北面、西面などは必要最低限で良いかと、

風呂場、洗面、トイレなどはなくてもいいのではと最近では思います。

風呂場の窓は結露がひどく風呂場をカビの巣窟にします。最近では性能の良い換気扇が多く

出ています。窓で換気したい気持ちもわかりますが機械的に計画換気したほうが建物の為に良いと

最近では思っています。窓も性能値の高いものも最近では出ていますが、壁には到底かないません。

だから断熱性能的には窓部分は壁に穴が開いているのと同じ状態です。

窓の配置は非常に重要であとで簡単には変えられません。通風や換気計画を立て必要最低限の窓、

南面は日射取得量を増やすために出来る限り大きな窓を配置するような建物計画が望ましいです。

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