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木組みと気組み

白壁社長

おはようございます。

宮大工の教えとして

塔組(とうぐみ)は、木組。木組は、木の癖組。木の癖組は、人組。人組は、人の心組。人の心組は、棟梁の職工への思いやり。工人の非を責めず己の不徳を思え」

というのがあります。この教えを会社組織も同じと感じます。棟梁とは宮大工の親分ですが、これは会社経営者、あるいは各部門や部署の長に置き換えられます。

これは社員すなわち人間が組みます。木組は原文では材木の木ですが、これを気持ちの気に換えてみますと、「塔組は木組」が「組織組は気組」となり、その意味は、職場の大小に関わらず、皆の心が揃わなければならない、組織は人間の気を組むものである、と解釈できます。

次は「木組は木の癖組」です。いい材料だけを選り分けて用いるのではなく、まっすぐな人間も癖のある人間とどう組み合わせていくか、それによって組織の強みが出せると感じます。言い換えればこれが人の「和」ではないでしょうか。

 個性は、周りと調和したときにこそ、その美しさを発揮するといわれますが、口伝からは、人間と人間をただ物理的に配置するのではなく、その心と心を組み合わせることが大事だということが読み取れます。

 教えはさらに、「人の心組は、棟梁の工人への思いやり。」と続きます。

 宮大工の世界では、上に立つ者は厳しい言葉も使います。それに対して職人が「反乱」を起こさないのは、棟梁であるリーダーが部下への思いやりが通じているからです。

 「上司の話を聞かない部下はいるが、上司の行動を見ない部下はいない」といわれます。見えないところで、目配り・気配り・心配りをすることが、お互いの理解を深め、大きな絆を作り上げます。上司と部下の間にも通じることだと思います。

 最後は「職人の非を責めず己の不徳を思え」です。部下の間違いを責める前に、まず自分の人間としての徳の足りなさを恥じる。これはまた、不思議と部下に通じるものです。上に立つ者はどこまでも謙虚でなければならない、ということを口伝は言っています。

常に精進していきたいです。

今日もご安全に。

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