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おそらく築50年はたっているだろう木造の駅舎は、幾たびも塗り重ねられたペンキが、使い古した琺瑯のような味わいをみせて、懐かしさをさらに醸し出していた。 手売りの切符を昔ながらの厚紙のものと期待していたが、そこはそれ、自動発行機によるものだったため、磁気シートを裏打ちした薄っぺらなものだった・・・富士急行線での自動改札の駅が一体何駅あるのだろうか・・・そんなことを考えているうちに、下り列車がホームに入ってくる。 鈍い銀色の車体は、以前 都心の地下鉄の車両を譲り受けたことが、車内の説明記事で解った。
やはり、この鉄道では、濃淡のブルーを基調にした、丸みを帯びたボディーが似合うと思うし、個人的にも好きだ。 つり革なども、三角形のものは良くない。 ローカル線には、昔ながらの丸型のものが良いと思う。 なにか、車内を見渡す自分が、俄か鉄道マニアになったようだ。 何となく彼らの気持ちが理解できた・・・
つづく・・・
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